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2017.05.28(日)

#三好 祥平

スマートシティ

スマートシティの先進、サンタンデール市

スペインといえばバルセロナやマドリッドに代表され、観光大国のイメージがあるのではないでしょうか。

経済は良いとは言いがたい状況ですが、実はIoTを活用した社会インフラの整備が進んでいる国でもあるのです。

スペインの中でも特にサンタンデール市、バルセロナ市、バレンシア市などで積極的なIoT導入が進められているようです。

 

サンタンデール市は、スペインの中では北端、海に接したところにあります。

面積はおよそ35平方キロメートル、人口はおよそ18万人。東京の世田谷区よりも小さく人口も少ない市です。

 

そのサンタンデール市が、世界的にもIoTを活用した先端的な街となっているのです。

 

ITを使って環境に配慮しようというのがスマートシティ化の根本的な考え方なのです。

道路渋滞を緩和するスマートシティプロジェクト

では、本題に入りましょう。

サンタンデール市のスマートシティプロジェクトは、どのようなものだったのでしょうか。

 

一言でいえば、駐車場周辺で発生する交通渋滞を緩和する施策です。

 

サンタンデール市では、交通渋滞が頻繁に発生していました。

その原因の一つが、駐車場です。

 

市内各所にある駐車場ですが、車で駐車しようとその場所に移動しても、埋まってしまっている。

車を運転される方なら想像しやすいのではないでしょうか。

街中で駐車場を探す大変さ、とくに車の数が多い場所、時間帯には苦労した経験がある人も多いでしょう。

 

この「駐車場探し」が原因で、周囲では渋滞が頻繁に発生していたのです。

 

では、どのようにこの問題を解決しようとしたのでしょうか。

センサーボードを駐車スペースに埋め込み、駐車状況を把握できるようにしたのです。

 

実際に埋め込まれたのは、Libelium社が開発するIoT向けの小型ハードウェア『Waspmote』です。

このセンサーは、車が駐車されているか、いないかを判断することができます。

センサーによって判断された情報をクラウド上へ収集し、市街地に設置したパネルへ情報を送るようなシステムを作りました。

 

ドライバーは市街地のパネルで駐車状況を把握し、駐車できる可能性が高いところへと移動します。

従来であれば駐車場までいかなければ、見えなかった駐車状況がリモートで確認できるようになったのです。

 

シンプルなソリューションで、非常にイメージしやすいのではないでしょうか。

ありそうでなかった施策ですが、IoT技術やクラウドが普及したことでこのようなスマートシティ化が実現するのです。