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2016.08.04(木)

#staff3

相続税法改正から一年半

相続税改正から一年半が経ちました。

まだ正確な統計がされてはいないですが、法改正による相続税がかかる割合の変化は、当初予想されていたものよりはるかに大きいものとされています。

大都市圏での二次相続では、自宅不動産と多少の預貯金だけでも相続税が発生しているとの話もちらほら・・・

今では相続は犬神家のような特別な家計だけが意識するものではなくなってきます。

節税対策や納税資金の確保、「争続」回避など、状況ごとに最善の判断や解決策があります。

本日はその中から3点紹介していきます。

 

 目次

1.小規模宅地等の特例の適用で80%減額

2.配偶者の非課税措置

3.遺言書の活用

 

それでは1の「小規模宅地等の特例の適用で80%減額」から紹介していきます。

日本人の相続財産に占める不動産の割合は半分以上です。不動産にかかる相続税により、不動産を手放してしまう・・・ようなケースをできるだけ防ぐ制度が小規模宅地等の特例です。

これまでは240㎡(大体60坪前後です)までの不動産については評価額から80%を減額して残りの20%に相続税をかける制度でしたが、昨年の法改正では適用面積は330㎡(約120坪)まで優遇範囲になりました。

ただし、特例を使うには様々な条件があるので活用する際には充分チェックしてください。

 

次に2の「配偶者の非課税措置」について紹介していきます。

例えば両親のうち先に父が亡くなってしまった場合です。配偶者である母は、「1億6000万円」までは相続税がかかりません。

上記の1で紹介した小規模宅地等の特例も使えるので父の財産をすべて母が相続するとかなりの財産があっても相続税は0円になりうるのです。

しかし母の死後、二次相続で相続税が高額になる例もよくあるので一回目の相続で多少相続税を払ってでも分割すべきか判断した方がよいでしょう。

 

最後に3の「遺言書の活用」について紹介していきます。

相続について一番避けたいのは「争続」です。文字通り、争いごとになるケースです。

遺言を残さずに亡くなられたら、法定相続と言って民法で定められた相続のルールに帰属します。

例えば、5年間両親(被相続人)に連絡や介護の面倒もせずに相続の時に顔を突っ込んでくる次男Aと、献身的に介護をし、いつも「ありがとう」と被相続人に感謝をされていた長男の嫁Bなら長男の嫁Bに財産を残したくなりますよね。

仮にこの状況で遺言を残さず被相続人が亡くなったら嫁Bは気が気でないでしょう。

お金がほしいという気持ちではなく、報われない自分の虚しさを感じ、最悪訴訟にまで発展します。親戚間でこのようなことがおきれば、正月やお盆に笑顔で集まるのはもうなくなる可能性すらあります。まさに死人に口なしですね。

逆に遺言書があれば、協議が円滑に進むだけでなく、遺言書を使って預金や不動産などの名義書き換え手続きもできます。道筋がはっきりされていれば残された家族が争うことなく故人に対して「感謝の相族」になりますよね。

あなたの一族は今までの先祖や両親が守り、そしてあなたの子供や孫が守っていかなければいけません。

遺言書は絶対に作ることをおススメします。

 

 

相続準備は早ければ早いほど選択肢が増えます。

40代~50代の方であれば親からの相続を受ける年代ですが、その時にほんの少しでも自分から子供へ、という気持ちや少しの行動だけで全く違う結果が生まれるかもしれません。

家族の結束が深まる「相続」になれば、親にとっても子・孫にとってもこれほどうれしいことはないと考えます。