2016.06.24(金)
#staff9
イギリスのEU離脱
国民投票に取りイギリスのEU離脱が決定しました。
そもそもイギリスは、経済的なメリットのあるEUをどうして自ら抜けようとしていたのか
表向きには「国としての主導権を回復する」と標榜していますが、実際のメッセージとしては「これ以上移民・難民を受け入れられない」ということです。
何年も前から議論されているように、ヨーロッパではほとんどの国において、シリアやイラク、北アフリカからの難民受け入れ問題が生じています。
その中でも特に、難民にとってイギリスは人気国です。それはなぜか?イギリスの社会保障が手厚いからです。具体的に言うと、正式な手続きを踏んで難民として受け入れられれば、福祉手当という金銭が与えられたり、無料で医療施設を利用できたり、確実に住居が与えられます。みんな「イギリスは素晴らしい」と言うわけです。
EU加盟国には難民受け入れを拒否できない、という法律があります。移民についても、特別な理由がない限り拒否できません。
だから、イギリスが移民・難民受け入れを拒否、あるいは制限するには、EUを離脱しなければならかったのです。
気になるのは、日本にはどのような影響があるのか、というところですが、ヨーロッパが不景気になれば、日本にも悪影響が出る、というのはわかると思います。
現在、イギリスに進出している日本企業の数は931社です。これはEUではドイツに次ぐ2位の企業数です。
さらに、日本の対イギリス直接投資の額は1兆7000億円です。これは、アメリカに次ぐ世界2位の金額です。
こういった数字だけでも、イギリスの景気が悪くなれば、日本もかなりのダメージを食らうことは理解できるでしょう。
さらに、前述したポンド安、ユーロ安になると、今度は日本の輸出産業にも大きな影響が出てきます。
ヨーロッパからすれば、ポンド安、ユーロ安になると、日本の製品はこれまでより買いにくくなります(例えば、今まで100ユーロで買えていたものが120ユーロになってしまう)。そうすると、日本の対ヨーロッパ輸出が落ち込み、日本経済全体の景気悪化にもつながってくるわけです。
変化を起こすことは良いことだと思います、しかし同時に均衡を崩すことのリスクを乗り越えなければ良い改革とは言えないでしょう。
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